現実と空想の狭間をゆく写真家・阪本 円さん
みなさん、こんばんは~。けんたむです。
明日の2月7日(土)より横浜のZAIMで次世代のモノクロ写真の在り方を披露する作品展「Hello!MonochromeⅢ」の開催に先立ち、出展者の一人である阪本 円さんのお話を伺ってきました!
▲阪本さんの代表作「僕は夜の王様だ」から1枚。大判のMAXARTで出力した作品の複写です。よーく目を凝らしてみてください。阪本さんの写真には、夢なのか現実なのか、様々な想像を掻き立てる被写体が随所に登場してきます。
いい写真を見ると、ホントに写真に対する捉え方が変わってきますよね。自分の作品の撮り方も含めて、刺激的な取材となりました。
<阪本 円さんプロフィール>
1978年 東京都生まれ
2001年 日本大学芸術学部卒業
2007年 第22回イエール・インターナショナル モード&フォトグラフィ フェスティバル写真家10人に選ばれる。
2008年 作品「僕は夜の王様だ」が第31回写真新世紀 荒木経惟賞佳作
現在、東京を拠点に活動中。Webサイトはコチラへ。
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写真との出会い―
けんたむ:「まず最初に、阪本さんと写真との出会いを聞きたいですね」
阪本さん:「意識してカメラを持ち出したのは高校1年生からです。当時私は女子高の軽音部に入っていたんですけど、毎年文化祭では、ライブの告知用ポスターを作っていました。昔から絵を描くのが好きで、漫画を描いたりとかイラストを描いたりして友達に見せていたんですが、その延長でポスターをつくり出したのがきっかけです。はじめは雑誌から写真を切り抜いてコラージュみたいなことをしていました。それから回を重ねるごとに欲しい絵があったら自分で撮ればいいじゃないかと思うようになって、カメラを持ち始めたんです」
けんたむ:「ライブの告知用ポスターを作れるなんて、もう高校生にしてクリエイターですね!ちょうど、その頃って蜷川実花さんや長島有里枝さん、HIROMIXさんといった、女性の写真家が木村伊兵衛賞を獲得し始めた頃ですね」
野口里佳さんの影響―
阪本さん:「そうですね。その影響も少なからずあったのかもしれません。高校を卒業してから日芸の写真学科に行きましたが、写真が好きってだけで入っただけなので、右も左も分からない状態でした(笑)写真を学んでいるとき一番影響を受けた写真家は野口里佳さんだったんですよ!あの6×6で表現された独特のトーンに影響されましたね~。私自身は作品と呼べるようなものは作れませんでしたけど・・。
けんたむ:「日芸を卒業後、渡仏されたんですね?」
阪本さん:「卒業後、2年間資生堂のスタジオアシスタントをやって、そこからフランスに行きました。確か2005年だったかな?フォトグラファーのミカエル・ボムガートンさんという方のアシスタントになりたかったんです。彼のアシスタントを1年やって日本に戻ってきました。ちょうどその頃撮影した写真がこれです(上の写真)。森の中を撮影した写真で、ネガスキャンで仕上げています」
「僕は夜の王様だ」の制作を開始―
けんたむ:「そうして帰国後『僕は夜の王様だ』が出来たわけですが、これ、けっこう珍しいタイトルですね」
阪本さん:「ええ(笑)。そうかもしれません。ヒントになったのは撮影を進めていく途中で見つけた漫画のワンフレーズです。
けんたむ:「夜なのに、子どもが屋根の上によじ登って遊んでいますね(一番上の写真)。これってあり得るようで、絶対あり得ない・・・、いや、こんなシーンもあるのかな?と頭を過ぎります。とにかく阪本さんの作品を見て頭の中は色んなイメージに支配されましたね」
阪本さん:「人って同じものを見ていてもみんな違う認識の仕方をしますよね?そういうのをあえて映像化させてみたいなって思って・・・。」
▲子どもが道路で寝転んで遊んでいます。果たして現実なのか、空想なのか・・。
阪本さん:「でも、それだけでは写真から私の伝えたいことってなかなか伝わらないなと思っていたんです。そんな時に思いついたのが、昔体験した不思議な体験だったんです。私が思い込みの激しい性格なせいか(笑)、小さい頃に、よくありもしない光景が見えたりしたんです。たとえば友達と待ち合わせをしていると、その友達が来るんですけど、途中で消えてしまったりみたいな(笑)。幻想っていうか、けっして恐い体験ではないのですが、それを夜景に組み込んでいこうって思ったんです。なんかオカルトチックに聞こえちゃいますね(笑)」
けんたむ:「どこまでが現実なのか、幻想なのか、その境界線を探ることが阪本さんの内面を知ることになるので見ている側としては楽しいですね。実際は大変なレタッチをされているんでしょうけど、どのような作業を?」
阪本さん:「作品を作る時は、夜景・人物をそれぞれ撮影しまして、後からデジタル処理でくっつけています。人物の写真はあらかじめたくさんの写真をストックしておいて、夜景にあわせてその中に合うものを選んでいくという流れ。この夜景は、私は何度か埼玉県の中で引越しをしているんですけど、その時の思い出の場所を中心に撮影しました。レタッチにはけっこう時間が掛かりますね。切り抜いて馴染ませて影をつけたり・・・でもこの風景と登場人物たちが一体化する瞬間がもう楽しくって、だんだん癖になっちゃうんです(笑)」
プリント方法について―
けんたむ:「あ・・作品に見とれているうちに肝心なこと聞くの忘れてました(笑)今の作品づくりはインクジェットプリントですか?」
阪本さん:「この作品以外もほとんどインクジェットプリントです。人に見せるような作品というのはエプサイトプライベートラボでプリントしています。自宅にあるのはPX-G5100ですが、A3ノビまでしかプリントできないので、展示用の作品として完成させるときにはエプサイトで出力させてもらっています。紙はプロフェッショナルフォトペーパー厚手半光沢がすごく気に入っていまして、作品を出す時はほとんどこの紙にプリントしています。マット調の黒がきっちりしまるところが好きです」
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阪本さんは、明日から横浜のZAIMで開催される「Hello!MonochromeⅢ」に「僕は夜の王様だ」の作品を数点出展されます。ご本人曰く、「写真を通して私の見た光景を共有してもらえたらうれしいですね」とのことですので、是非足をお運びください!


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