生活の中に常に写真が介在する写真家、有人さん
こんにちは。けんたむです。
今日は久々にフォトグラファーズレポートをお届けしたいと思います。先日横浜で開催された「ハローモノクロームⅢ」にも作品を出展され、多方面で活躍中の写真家・有人さんにお話を伺ってきました。

<有人さんプロフィール>
1974年 横浜生まれ
University of Colorado at Boulder卒業
卒業後アメリカで写真活動をはじめ、『Your Picture of America』にて1位を受賞
2000年 帰国、現在は創作活動を続ける傍ら雑誌媒体など多方面で活動中。
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-コロラドが写真に向かわせた-
けんたむ:「プロフィールを見せていただきましたが、有人さんはアメリカの大学を出て、向こうで写真活動をスタートされたんですね」
有人さん:「そうですね。父親の仕事の関係で小さい頃からアメリカ・カナダ・日本と、転々としていましたので、大学はアメリカのコロラドにある学校に通いました」
けんたむ:「大学で写真の勉強をされていたのですか?」
有人さん:「いえ、航空宇宙工学という分野を専攻していました。大まかに説明しますと、航空と宇宙で分かれる感じですが、航空の方は飛行機の設計であったりとか、物理学といった航空関係全般を勉強する分野です。一方、宇宙の方はロケットや衛星の設計開発がメインになる分野です。僕は宇宙の方でした」
けんたむ:「う~ん、難しい。僕には分からない世界ですね(笑)けど、写真とはリンクしない分野だと納得しました」
有人さん:「そうですね(笑)。でも、写真は子供の時から興味があったようなんです。どういう理由かは覚えていませんが、小学校5年生の時のクリスマスにカメラを買ってもらって、そこで身の周りや友人家族を撮っていましたね。まだ家の押入れにその時のフィルムはあると思いますが、結構な量を撮っていましたね」
▲幼少期に手にしたカメラで身の周りや友人家族などの撮影を始めた有人さん。現在でも変わらぬスタンスを貫き、今日でもカメラを常に携帯し、普段の日常を切り取ります。
けんたむ:「そこから写真の道に?」
有人さん:「いえ。コンパクトカメラを持ち出した頃はアメリカに住んでいましたが、中学・高校の時は親の転勤で日本に住んでいまして、この頃は写真を撮ることはしませんでした。再び写真をやり始めたのは大学の頃です。大学はコロラド州のボルダーという街にあったのですが、ロッキー山脈のふもとの自然の豊かな場所でした。住んでいるうちにアウトドアに興味を持ち始めるようになり、そこで綺麗な景色を撮りたいと思うようになって、写真をはじめました。大学で専攻した分野は直接写真とリンクしていませんでしたが、コロラドという場所が僕と写真を再び結び付けてくれたような感じです」
▲本格的に写真を撮るきっかけとなったコロラドでの一枚。 モノクロフィルムをスキャンし、PX-5500で出力されているそうです。
けんたむ:「そこで写真を撮るようになったんですね?」
有人さん:「ええ。大学の中に芸術学部もありましたので、卒業する最後の学期で写真の授業を履修してフィルム現像や暗室を一通り習いました。自分で撮ったものを自分で現像して仕上げるというのが新鮮で楽しかったですね。写真を本格的に続けていこうと思ったのは卒業してからです。それまでは旅がメインで写真はその記録だけでしたが、卒業してからは作品活動が目的になってきました。しばらくコロラドに住み、仕事をしながら作品を作ってきました」
-「写真を通して人生を歩んでいきたい-
けんたむ:「有人さんの現在の作品は風景とポートレートを創作していますね」
有人さん:「そうですね。現在作っている作品はその2つがメインですね。でも僕の場合、特に作品を作ろうと思って撮影をするというスタイルと少し違うんです」
けんたむ:「といいますと?」
有人さん:「日常の自分の身の回りの出来事や関わっている人、風景を普段からカメラを持って撮っているのですが、その中から出来上がってきます。それがこちら(下の写真)です。江ノ島の海岸で何気なく写した日常から、大切な人まで撮ったポートフォリオです。アルバムは無印良品で買いました。KGサイズがちょうどよく収納できるんですよね」
▲日常の見逃してしまうシーンも克明に記録され、その積み重ねがポートフォリオとなって完成度をより一層高めます。見ている側も、有人さんがどのような生活を送っているのか掴めるのがいいですね。自分も始めてみようかな・・という気になってしまいます。
▲気持ちが高まり、「スイッチオン!」という心理状態になったときは、これまで以上に真剣に被写体と向かわれるそうです。こちらのモノクロは全てPX-5500で出力されたもの。
有人さん:「常に写真で呼吸をしている感じで、僕の写真は『こういう作品をつくろう』みたいに意気込んで作り始めているものはありません。普段の生活と作品制作との間に境界が無い感じで、瞬間を大事にしています。たまに気持ちが入って「スイッチオン!」になったときは被写体と向かい合って、真剣にポートレート撮影をしますけどね。作品を通して自分を分析してみると、結局僕は自分と関わりがあったり、理解し合える関係のものを撮っていきたいのかもなって思います」
けんたむ:「風景も人も有人さんにとって同じ距離にあるものということですか?」
有人さん:「そうですね。僕が関わりを持った「地球のポートレート」っていうか・・・。それが山であったら風景で、人だったらポートレートという作品を形作っているんだと思います」
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「写真で呼吸をする。そして瞬間を大事にする」という有人さんの言葉が非常に印象的でした。見逃してしまいがちな身の周りのシーンも風景も、写真に記録し、そしてそれをプリントして愛しい眼差しで眺める・・・。この一連の流れは有人さんの写真家人生の根幹であり、拠り所なんだと思いました。


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