幾多のメディアでアートプリント制作を続ける小島 勉さん
こんにちは。けんたむです。
洋の東西を問わず、幅広いメディアでアートプリント制作を手掛けるディレクター、小島 勉さんのお話を伺ってきましたのでご紹介したいと思います。他社のメディアを扱う時のプリント方法など、興味深いお話を聞けました!
◆小島 勉(こじま つとむ)さんプロフィール
1968年 埼玉県生まれ
1987年 旧・株式会社トッパンプロセスGA製版部入社。
1998年 インクジェットによるアートプリント製作を担当。現在は株式会社トッパングラフィックコミュニケーションズ第三制作本部に所属し、イラスト・写真CGなどさまざまなジャンルのアートに携わる傍ら、雑誌での執筆やセミナーなどの活動もしている。
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ーアートディレクターの仕事とはー
けんたむ:「小島さんが今のお仕事に就いたきっかけは何だったのですか?」
小島さん:「1999年に美術作品のデジタルアーカイブを運営していく会社に出向したのが始まりです。デジタルアーカイブした美術作品を複製してプリントビジネスをしていました」
けんたむ:「写真家の作品のプリント制作を手掛けていますよね?」
小島さん:「ええ。いわゆるインクジェットを使ったアートプリントというものをやっています」
けんたむ:「現在は写真などの美術作品を主にプリントされているんですか?」
小島さん:「いや、写真家の作品をプリント仕事はごくわずかです。私のいる凸版は出版社さんとの付き合いも多いですので、そこで漫画やアニメの複製画をつくったりしているのが大半です。写真家のプリントというのはどちらかというと社内フォトグラファーからのつながりで、茂手木秀行さんや根本タケシさんといった写真家の方たちとの付き合いが多くなったこともあって、そこから来ているんです。最近では織作峰子さんの展覧会用のプリントなども手掛けさせてもらいました」
ー今、注目のメディアはー
けんたむ:「プリントのプロフェッショナルとして、幅広いメディアを取り扱ってますね?」
小島さん:「そうですね。今、紙って世界的に3つのキーワードがあるんです。ひとつは「バライタ」。これは銀塩時代からの定番ですよね。2つ目は「エコ」。素材がエコなもので、たとえば竹を使ったバンブーとかサトウキビを使ったシュガーケインなどの紙です。それと3つ目は「キャンバス」です。最近使ってみて「いいな」と思ったのは、ハーネミューレ社の「フォトラグバライタ」かな。今度使ってみようとしているのはCanoson社の「Rag PHOTOGRAFIQUE」。Canson社は450年以上続いているフランスの画材紙のメーカーで、この紙はエプソンのウルトラスムースよりもっとキメの細かいのが特長です。表面のコーティングや堅牢性も申し分ありません」
けんたむ:「エプソン純正紙ではない紙を使う時のプロファイルはどうされているんですか?」
小島さん:「エプソンが出している純正のプロファイルを使っています(笑)」
けんたむ:「え!?本当に?小島さんのように印刷会社の人は独自にプロファイルを作って、その用紙の最適なプロファイルでプリントしているのかな?って勝手に思い込んでいました」
小島さん:「それは結構いろんな所でそう思われているようですね。ゴリゴリにカスタマイズしているものを使っているんですか?みたいに聞かれることもあったりします(笑)」 けんたむ:「そりゃそうでしょう(笑)」 小島さん:「でも実は、きれいにプリントするにはメーカー純正のものが、一番効率が良いと個人的には考えています。プロファイルを自分で作ろうと思ったら大変な時間が掛かってしまいますから、とてもひとつひとつ紙に応じてなんて作れません。それにメーカー純正のものは何百何千という半端じゃない数のパッチを測色して作ってますからね。それを信用して使うのが一番です」 けんたむ:「すると、どのようにプロファイルを扱うのですか?」 小島さん:「他社製の紙を使う時は、質感の似ているエプソン純正紙のプロファイルを使っています。たとえば先ほど話題に上がったフォトラグバライタだったら絹目調のプロファイルにしてプリントしたりしますね。どのプロファイルを使うかは直感で判断します」 ▲PXー5800で出力される小島さん。 ー他社メディアに対するエプソンの対応に期待ー けんたむ:「なるほど。実は今、エプソンでも魅力的な他社メディアについてどのように対応を取るかという議論の真っ最中ではあるんです。特に海外のメディアは印刷設定など紹介されておらず、ユーザーさんが自らノウハウを蓄積するしかない状況はまずいと思うんです。「まずいと思うならやってくれ!」と言われてしまいそうですが、ひとまずこのブログを中心に「他社メディアを使う事で、純正紙にはない作風の幅を広げられます!」という呼びかけだけはちゃんとやろう・・ということになってます」 ▲「それいけ!写真隊」でスペシャルアドバイザーとしてご参加頂いている柳本史歩さんの作品をプリントしてもらいました。海外メディアは、細かなテクスチャーが魅力のメディアが多く、国内メーカーではなかなか見られない風合いが特長です。 小島さん:「それは嬉しいですね。以前は「エプソン純正紙以外は駄目」みたいな姿勢で、ユーザーが求めていることと少しかけ離れてしまっていた感じでしたが、最近は少しその辺が緩やかになってきているんですかね。他社のメディアを使いこなせるようになると本当に表現の幅が広がりますよ。エプソンには今後の対応に期待しています」 +++++ 他社メディアの紹介はこのブログでもご好評を頂いておりますが、今後も続けていかねば!と思った次第です。しかし、メーカーとして正式な対応アナウンスをしていないのは申し訳ない次第です。他のインクジェットプリンターメーカーさんは我々よりも2歩も3歩も先に進んで他社メディアに対応しているのを考えると、何とかしたいと思っていますので、しばしお時間をくださいませ・・。 長野の開発とマーケティングのみなさーん、一緒に頑張りましょう〜。


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